示談金は『総額』より『内訳』が重要
示談提示書では総額だけが目立ちますが、実務では費目別の妥当性が重要です。慰謝料、治療費、休業損害、交通費、逸失利益、過失相殺後金額を分けて確認しないと、見かけ上は高額でも実質的に不利な条件となることがあります。
特に休業損害は算定基礎の違いで大きく変動します。給与所得者は賃金台帳等、自営業者は確定申告資料等、主婦・学生は家事労働評価等、立場ごとの資料が必要です。
相場比較の正しい方法
相場サイトや体験談は参考になりますが、事故類型、通院期間、後遺障害有無、過失割合が異なると比較になりません。『同じむちうち』でも、通院頻度や就労制限の程度で評価は大きく変わります。
比較する際は、最低でも①通院月数②実通院日数③休業有無④後遺障害有無⑤過失割合の5要素を揃えるべきです。この条件を揃えない相場比較は、判断を誤らせる要因になります。
交渉を有利に進める実務手順
第一段階は資料整理です。事故状況、通院経過、就労影響、生活制限を時系列で1本化し、提示内容とのズレを可視化します。第二段階で、争点ごとに代替案を提示します。単なる増額要求より、根拠付きの修正提案が通りやすくなります。
最終段階では、金額だけでなく条項も確認します。清算条項の範囲、今後治療費の扱い、既払金の整理、振込期限などを確認せずに署名すると、後日トラブルの火種になります。
具体例・計算例
例: 提示総額120万円でも、休業損害が本来より20万円低い場合、実質評価は100万円相当となります。
交渉では費目別に差分を算出し、どの根拠で修正するかを明示することが重要です。
事故後にやるべきこと — 7つの鉄則
よくある質問(FAQ)
Q. 示談提示は何回でも修正できますか?
A. 実務上は複数回の調整が可能ですが、争点と根拠を整理した提案でないと進展しにくくなります。
Q. 先に一部だけ受け取れますか?
A. 可能な場合がありますが、受領条項の内容次第で将来請求に影響するため、文言確認が必要です。
Q. 示談後に症状悪化したら再請求できますか?
A. 原則困難です。例外的事情を除き、示談成立前に慎重に確認する必要があります。