後遺障害等級とは何か
後遺障害等級は、症状固定後に残存した障害が労働能力や生活機能に与える影響を評価する制度です。等級により慰謝料や逸失利益の評価が大きく変わるため、事故実務の中でも極めて重要な局面です。
認定は単に『痛いと言っているか』ではなく、医学的所見、検査結果、症状推移、日常生活への具体的影響を総合して判断されます。主観的訴えだけでなく、客観資料の整合性が不可欠です。
申請準備で差がつく
申請前には、診断書記載の不足や表現揺れを確認する必要があります。例えばしびれの部位、頻度、誘発動作、神経学的所見の記載が曖昧だと、障害の一貫性が伝わりにくくなります。
また、通院記録の空白期間は不利に働くことがあるため、やむを得ない中断理由(転勤、入院、感染症など)は補足資料で説明することが有効です。
症状固定前にしておくべきこと
症状固定直前に慌てて記録を整えるのでは遅い場合があります。初期から症状日誌と就労影響記録を継続し、診察時に要点を伝える運用が重要です。
異議申立ての実務
非該当や想定より低い等級となった場合でも、追加資料で再評価を求める余地があります。ただし、同じ資料を繰り返し提出するだけでは結果が変わりにくく、何が不足していたかを分析したうえで補強する必要があります。
異議申立てでは、医学的観点と生活機能観点の双方を整理し、症状の再現性と継続性を示すことが重要です。専門家と連携して論点を絞ることで、手続きの精度が上がります。
具体例・計算例
例: 同じ通院期間でも、後遺障害等級認定の有無で慰謝料・逸失利益の評価軸が大きく変わるため、示談総額に大きな差が出ます。
等級認定は慰謝料シミュレーターの範囲外であり、個別資料に基づく専門判断が必要です。
事故後にやるべきこと — 7つの鉄則
よくある質問(FAQ)
Q. 症状固定とは治ったという意味ですか?
A. いいえ。これ以上の大きな改善が見込みにくい状態を示す概念で、症状残存の有無とは別です。
Q. MRIが正常なら後遺障害は認められませんか?
A. 必ずしもそうではありませんが、客観資料が乏しい場合は立証難易度が上がるため、他資料の整備が重要です。
Q. 異議申立ては何回でもできますか?
A. 可能ではありますが、追加資料の質と論点整理が伴わないと結果改善は期待しにくいです。